「スチューデントサクセスセンター」ってどういう場所?
学長?副学長に広報学生プロジェクトがインタビュー
365体育备用网址_2024欧洲杯竞猜@では今年、「スチューデントサクセス」という教育の中心的なコンセプトを掲げ、4月に「スチューデントサクセスセンター(SSC)」を設置しました。でも、そもそも「スチューデントサクセス」とはなんでしょうか?茨大広報学生プロジェクトの新1年生を含む学生たちが、太田寛行学長と西川陽子副学長?スチューデントサクセスセンター長にインタビューしました。
スチューデントサクセスセンター(SSC)とは?
―今年から新たに始まったスチューデントサクセスセンターというのは、どういうものなのか教えていただいてもいいですか?
太田学長 今から10年近く前、アメリカのある学会を訪れた時、大学の構内でStudent Success Center という表記を見つけました。アメリカではそういうのは結構普通にあるのですが、それ以来、スチューデントサクセスって何だろうっていうのをずっと考えていました。調べてみると、サクセスとは、いい成績で卒業するだけじゃなくて、自分の自己実現と充実感を持って卒業することだと。それを支える大学の組織がスチューデントサクセスセンターということです。日本は教員中心の大学が多いから、これを学生中心にしなきゃいけないと思っていました。しかし、他の国立大学にはまだない取り組みだったので、実質的にそれをどうやるのかがわからなくて、365体育备用网址_2024欧洲杯竞猜@でやろうと言い出すのに10年近くかかりました。窓口の名前がカタカナばかりで分かりづらいと言われるのですが、これは留学生がこれからもっとたくさん増えて、キャンパス内がもっと多様化することを願って、こだわったものです。スチューデントサクセスを西川先生は具体的にどういう風に感じましたか?
西川SSC長 学生さんがなりたい自分になるというコンセプトでの学修環境?機会を用意してほしいと学長から言われて、これまで準備を進めてきました。365体育备用网址_2024欧洲杯竞猜@は授業終了時のアンケートなどを通じて教育の質を保証しようと頑張っている大学ですが、その次の段階として、学生の選択肢を増やしたいと思っていました。自分の個性を活かして何になろうってすごく悩み、社会に出て何しようって考えだすのが大学だから、考えるための要素とか機会とかは大学が用意しなければならない。自分でいろいろなものを選択できる自由が増えてきているという点が今までとは違います。学生のニーズに合った形で育っていける環境を整えたいというのがスチューデントサクセスセンターの一番の目的です。
―他の国立大ではあまり見ない取り組みですよね。
あと、自分(進行の飯村さん)は農学部なので、水戸にいながらも、相談内容によっては日立?阿見キャンパスの学務グループとも繋いでくれると聞き、嬉しい取り組みだと思いました。
西川SSC長 学生の相談内容が学部の専門的な内容になったら、その場でオンラインでつないで日立?阿見キャンパスにつなぐという形を今後整備していきます。SSCの全部の窓口を各キャンパスに置けないのは歯がゆいんですけれども、相談件数ではおそらく1年生が最も多いので、水戸でその基盤を整えているという感じです。
将来の悩みにヒントを
―スチューデントサクセスセンターでは学生の自己実現をサポートするとのことでしたが、学生の中にはとりあえず大学に入ったけれど将来やりたいことがまだきまっていないという方も結構いるかと思います。そういった方たちはどのようにサクセスセンターを活用していくとよいのでしょうか?
太田学長 将来に関する悩みというのは多くの人が持っていると思いますから、それをどう解決するかというところが一番のポイントだと思います。今キャリアサポート室では、卒業生がどこでどういう風に活躍しているかというモデルを提示できるように情報メディアを準備しているので、そういったものから学生に何か引っかかるものがあればいいんですよね。そこから少しでもヒントを得れば、より専門的なところに相談することもできるかなと。
―まだやりたいことが見つかっていない場合にも、センターから繋いでくれるものがあるということですね。
常に学生が集まる、気づきの場に
―最後になりますが、お二人はスチューデントサクセスセンターがどのようになっていってほしいと考えていますか?
太田学長 センターの中に常に学生がいるようになっていってほしいですね。人が集まることでいろんな気づきのチャンスになるので、学生に企画やイベントを出していってほしいですね。昔、研究でヨーロッパに行った時には10時と15時に「お茶の時間」というのが設けられていて、その時間に人が集まって自由に話をするというのがありましたが、そういう機会が大事なんですね。自分に何か引っかかるヒントを得るチャンスを生み出すためには、まず集まらないといけないと思うんです。
―学生や教員など、いろんな人が自由に集まれる場所に、ということでしょうか。
太田学長 学生が集まることでだんだん先生たちも集まるようになるのが一番いいんですよね。
―学生がどんどん自由に集まって、アイディアが生まれてくる場になるというのが学長の願いなんですね。西川先生はいかがでしょうか。
西川SSC長 学生がやりたいことや希望をフランクに言えて、何かしら探し出せる場所になればいいなと思っています。私たちもその機会を提供していきたいんですけど、まだ手探り状態なんですね。学生の方が発想力も柔軟なので、求めているものを声に出してほしいなって。一人一人の声が集まっていけば、こちらの方で機会を用意するようにしていきたいと思っているので、そのように協働して何かを作っていく場所があればいいかなと思っています。
学生の自己実現をサポートする場として、学長らのさまざまな思いが込められて作られたスチューデントサクセスセンター。
学生のみなさん、悩みのある方もそうでない方も、是非一度訪ねてみてはいかかでしょうか。
- インタビュー:飯村旺我(農学部2年)、佐藤夏実(人文社会科学部1年)、増田朱音(人文社会科学部1年)
- 撮影?執筆:大城美波(人文社会科学部3年)、増田夕奈(人文社会科学部1年)